作品展を開催して30数年余が経つが、今までに無かった事が奄美の会場で起き続けている。
見ず知らずの方が、にこやかに「おめでとうございます」と入って来られ、受付にいた生徒が「忘れてはならない心持ちに感動しました」と。
昨日来られた男性からは、「“ハブラギン”が宇検村生涯学習センターで見れますよ。是非見て下さい」との情報を頂き、今朝一番に名瀬のホテルから車で南に一時間(空港は北に一時間)の宇検村に行く。
12~3歳の少女が初めてノロ(祝女)の祭祀に参加する時に着たと考えられている服で、悪霊退治の霊力がある三角形(蝶や蛾から)のパッチワークで出来ている。
学芸員の方によると、宇検村には最多のハブラギンが残されているという。
写真のハブラギンは、300~500年前のシルク素材のもの。今回の企画展でしか見られない。
佐治ゆかり著「ハギレの日本文化誌」で見て以来、ずっといつ出逢えるのだろうかと願っていた事が実現した。
大げさではなく、「畏れ多くて先生に質問などとても」と仰る方たちの何と多い事か。
私に何も告げず、生徒に「大島紬を先生に送ります。住所を教えて下さい」と仰った方があり、今日「大島を送らせて頂きました。お使いになって頂けたら嬉しいです」との電話があった。
初日に見に来られて大島紬を送ろうと決め、すぐに発送するという、その真摯な思いに応える作品を創る日々でありたいと希うばかり。
鹿児島教室の生徒よりメールが入り、「ヤフーニュースに展示会の様子が出て来て驚いています!嬉しいです!」との事。「主人(校長先生)の転勤で奄美に行けるかもしれません」との事。「ライセンス取得講座を開きたいので、その節はよろしく」と返信した。
小さな奇跡の物語が続く。