先月の教室で、生徒の一人より「暑さで何も進まないのですが」との相談があった。
おそらく私の持続力の源について訊きたいとの質問だと思うので、ヒントになれば。
一に、まず自分に厳しくありたいと思っている
二に、日々を豊かに生きたいと望んでいる
三に、未来の事を常に考えている
締切(10/3~10/5池袋サンシャイン)のキルトが手から離れ、次作は田中一村美術館のキルトを創る。
大島紬のみで創る事は決めており、ボーダーをデザインし、布(大島紬の逸品)をカットした。
針を持ちたくない気分の日は、種々の本のページをめくるかデザイン画を描く。
夏の日に描いたデザインを、新たに修正してボーダーの長さに合わせる。
絵が書けませんと言う人は多いが、努力は必ず報われると思う。
布の色合わせも天才はごくごく僅かで、何十年も色合わせに悩んでパターンを縫い続けて上手くなる。
浅草橋に注文していた品物を取りに行き、郵便局から生徒に布を送り、浅草橋の手前でやぶからしの群生に出会う。
昔、友人と興国寺に山川老師を訪ねた。後で、山内の売店を任されていた藤光さんが「お二人が何時間も出て来ないので、心配しました。ご老師は長時間お客様と会われる事がないので」と話されたが、奥の部屋の襖絵のお話や若い修行時代のお話を伺った。
布花作家の友人が「老師様のお好きな花は何ですか?」と最後に尋ねたら「やぶからし」、その訳は「強い生命力」と。
やぶからしの花に会う度に、その日の事が想い出され、己に厳しく強く生きたいものと心する。