ヤイさんがリビングのソファにいつも敷かれていたアンティークキルト(1920制作の表記が入っている)に、大きな染み(たぶんコーヒー)が付いていた。
何とかしたいと考えながらも、洗濯出来ないアンティークキルトをどうしたものかと考え、思い切って手洗いをした。
どきどきしながらの作業だったが、薄めたワイドハイターにひたし、経年したひどいシミが殆ど消えた。(ちなみに私は滅多に漂白剤を使わない。洗剤系で使うべきでないものの筆頭だと思う。)どれ程嬉しく、こんな事ならヤイさんのお元気な時に目の前でして差し上げたかったと思うばかり。
週末のお見舞時に、ヤイさんに報告させて頂こう。
他のアンティークは見て頂いても、素手では触って欲しくない。
このアンティークキルトは、ヤイさんがしまい込まず使っていらしたものだからこそ、皆さんに触って頂けるキルトだと思う。
何とも言葉で表現出来ない手触りは、ベビーキルトに最適の手触りとしか言いようが無い。
友人にことづかった古い帯地は60~70年前のもので、茶道の先生でいらしたお義母様のものである。龍村織物の桐箱に入った袋帯の数々も素晴らしかったが、この帯を座敷机のランナーにとの友人よりの注文でハサミを入れた。
これ程しっかり織られた帯地に出会った事がない。1センチ縫う事も至難だった。詳しい人に訊くと、両面から織られ、それを繋ぐ為に糸が渡してあり、その絹糸もよりがかかった太い絹糸だという。
ハサミを入れて良かったのかと思いながらも、訪れる人の多い友人宅の和室で、多くの方の目にとまる事も、又佳きかなと思った事である。
三田在住の日々は多忙である。連日の来客、今日は夕方から塩高先生のレクチャーコンサート(阿佐ヶ谷ヴィオロン)に。順さんがゲストで龍笛を吹かれる。