わさびの里さらさら42
さらさらと流れる小川に咲くわさびの花の清らかな様に、思わず微笑みがこぼれます。
野上に工房を移して10年、変わらずに続けている事があります。ひとつは、毎月末の最終日曜日の午後に開いている「茅ぶきの家の集い・未来に語りかけよう」です。工房内の茅ぶきの家『楽柿舎』に、様々なジャンルのゲストを迎えて、楽しい語らいの場となります。
もう一つは、ご縁のある人たちに、年3~4回の山の幸便を届けている事です。続ける事の辛さと楽しさは、言葉にならない程のものですが、確かな事は続けることによって多くのかけがえのない人たちとのご縁をいただいたという事です。
突然築100年近い建物を預かる事になり、途方にくれていたわたしが、何とかして工房を環境と文化の発信地にしたいとの願いを深くし、多くの方々の助けを借りて存続出来ている事に心より感謝です。
山の幸(春)は、約50種の草木の新芽を使った手づくり酵素・工房産の消毒していない柿を使って寝かせた柿酢・各種ジャムやマーマレード・お茶・山菜等約10種類が入ります。
今月の山の幸便に、新たに加わったものがあります。宮崎の岩切農園産の日向夏を使った琥珀菓子やマーマレードです。爽やかで高貴なかほりの日向夏は、皮の白い甘皮の部分が多く、中袋も一緒に食べられます。在来種には種が多く、和歌山の三宝柑と性質が似ています。
柑橘類のペクチンは、白い甘皮や中袋・種に多く含まれており、ウクライナの小学校ではペクチンが内部被爆された放射能を排出する効果があるとして、ペクチンの入ったお菓子を与えているそうです。
7月22日に、10周年のコンサート(和歌山出身尺八演奏家・辻本好美さん他)
や講演会を企画しています。小川がさらさらと流れる中で邦楽にふれるひとときをご一緒しませんか。
(蒲公英工房主宰・キルト作家 黒田街子)