工房の離れが雨漏り、収納していた長持にまで染み込み、あわやキルトが大惨事になる所でした。
難を逃れた時に、瞬時頭をよぎる感覚があります。
『護って戴いた』
金沢作品展で、風をあてるべく、全てのキルトを押し入れから出していました。“虫のしらせ”って、とても素敵な言葉ですね。
知らせてくれたのは、どんな“虫”さんだったのでしょう。
又々瓦を点検すべく脚立に登りました。足場が悪い場所(しかない)に脚立を立て、瓦のズレを見つけました。瓦を元の位置に戻し、やれやれです。
この際、気になるキルトを洗う事にし、白を基調とした二枚のキルトを洗濯しました。
一枚は、21年前のキルト、キルトジャパン誌の「自信の一作」欄に一面掲載されたキルトです。
『雨は自然のふところから生まれる。あるがままに。』(詩:佐藤溯芳 英訳:戸塚敦子)とのメッセージが、英文で入っています。
“自然のふところ”は“natural cradle"。揺りかごの言葉は、今秋のアメリカ展示のキルト“揺籃”に繋がっています。
20余年前の自分自身に逢える楽しさ・嬉しさ。
キルトの針は稚拙ですが、刺繍とアップリケは完璧です。
あらためて、落としキルトが抜けている箇所も見つけ、いとおしさに溢れつつ、針を重ねています。
これらのキルトの他にも、ブルーとホワイトのキルトが数枚あります。
blue&whiteは色彩の王道、“水色"は祈りです。
今回、キルトを護って下さったのは、工房を流れる小川のわさびたちかもしれませんね!