「わさびの里さらさら54」
いが栗の落ちる音、柿の実が色づく季節となりました。今月26日に開きます工房主催「茅ぶきの家の集い」。今月のゲストは、「宗祇の会」メンバーで紀州語り部の川島弘さんです。室町後期の連歌師・古典文学者の飯尾宗祇(いいお そうぎ)は紀州和歌山の生れ。西行や能因法師と並んで芭蕉が最も尊敬していた詩人の一人。古典文学に関する高い教養を持ち、在来の連歌の上に古今和歌集の幽玄さを加えて連歌の革新を図った人物。茅の会のメンバーの上野山さん主催「豆の会」に続いて、工房でもお話を頂く事になりました。
金沢21世紀美術館で本年12月初旬、『第二回金沢パッチワークキルト教室展』を開きます。金沢・東京・大阪・岡山の各教室で学ぶ生徒たちに加えて、和歌山教室の生徒たちも出展する作品づくりに余念がありません。
この展示会に合わせて、石川県立音楽堂で『邦楽コンサート』を企画しました。昨年の「玉津島神社奉納演奏」と「和歌浦アートキューブ・コンサート」に続く、【日本書紀歌謡レクチャー(講師・佐藤溯芳)コンサート】です。
新たにメンバーに加わった世界的なフルート奏者・久保順さんはフルートを横笛に持ち替えて、薩摩琵琶奏者・塩高和之さんとデュオで【記紀歌謡・素戔嗚尊の歌】を奏でます。また、和歌山出身の尺八奏者・田中黎山さんとの尺八・フルートのコラボも楽しみです。
薩摩琵琶奏者・塩高和之さんは、奥佐々の工房がたいそう気に入っておられ、和歌山での「第二回邦楽コンサート」を所望されており、来年度に企画中です。
東京都内で開く音楽家たちのミーテング・音合わせには、工房より届くお水と食材を使った食事、美味しいお茶とお菓子のティータイムが欠かせません。これらは、音楽家たちの笑顔となり澄んだ音色に繋がるものでしょう。
「茅ぶきの家の集い」は10月26日。秋の渡り鳥たちの歌声、せせらぎの音、秋色に心和むひとときをご一緒しましょう。
(蒲公英工房主宰・キルト作家 黒田街子)